勤医協札幌看護専門学校【国語】(2022年)じっくり解説【問題1】(4)問五
勤医協札幌看護専門学校の2022年の国語について解説します。勤医協札幌看護専門学校では、過去問題を公開してくれていますので、以下のリンク先から入手して下さい。
入試情報・学費 > 過去の入試問題 | 勤医協札幌看護専門学校 (kinkan.ac.jp)
まずは上のリンク先から2022年の過去問を入手して、解いてみて下さい。その上で、以下の解説と読み比べながら、答え合わせをしましょう。今回は問題一の、問五です。
空らん「C」に、次から適切な言いまわしを、符号で選んで入れなさい。
という問題。
「本当の意味を解せぬまま[C]遣った言葉であろうが」という、前後の関係から、推測できる。
a 聞きあてて
b 聞きとがめて
c 聞き入れて
d 聞きかじって
e 聞き流して
このうち[C]に入るのは・・・
a 聞きあてて=聞く+あてる
b 聞きとがめて=聞く+とがめる
c 聞き入れて=聞く+入れる
d 聞きかじって=聞く+かじる
e 聞き流して=聞く+流す
「複合語」と呼ばれるものだが、この中で「あまりちゃんと理解していない」ままで「使用する」という文脈に合致するものは、
d 聞きかじって
一択になる。
e 聞き流して
だと、そのあとの「遣う」とのつながりがおかしくなる。
ところで本文で「つかう」を「遣う」としているのはなぜですか?「使う」ではダメなの?
うむ。「遣う」は、「使う」という意味に加えて、そこに「気配り」・「心配り」をする、という意味も含まれる。
つまり、今回の本文でいえば、ある学生が「先生、枯れ木も山の賑わいといいますから、せひ出席してください」と、実はとんでもない失礼を働いているのだが、しかし本人はそのことに気づかず、じぶんなりに気を遣って「枯れ木も山の賑わい」という慣用表現を用いているつもりなんだな。
先生に向かって「枯れ木」は失礼ですもんね・・・
そうだな。先生自身が「謙遜」して用いるなら、まだいい。教え子が恩師に向かってつかう言葉ではないことは、確かだな。でも教え子は、じぶんなりに考えて、気を遣ってこの言葉を選んだ、と先生もわかっているから、招待された会に参加されたんだな。
ちなみにこの「先生」、池田弥三郎博士。1982(昭和57)年に亡くなられた、国文学・民俗学で有名な研究者だったのだけれど、慶応義塾大学の文系の入試で国語が無い理由は、この池田先生が「入試問題つくるのめんどう。英語で国語力はわかる」って言ったから、という伝説がある。
そんなことある?・・・
噂だけどな。
つづく。
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