濃度の計算問題を解くための「Tの型」(1)
看護学校の入試でよく出るのが「濃度の計算問題」。
今回から、このタイプの問題を解く方法を紹介していく。全18回を予定している。
よく出る「パターン」をしっかり練習しておきたいですね。
うむ。まずは「濃度の公式」を「Tの型」にあてはめて、おぼえてほしい。紙とペンを用意して、大きさは少し大きめに「T」の字を描いて。
ここに、濃度の計算に必用な3つの項目を入れてみると、こうだ。
「タテ」が分数(=割り算)、「ヨコ」がかけざん、なんですよね。
そう。これを言い方を変えて表すとこうなる。先ほど書いてもらった「T字」には、以下の言葉を埋めて欲しい。
「食塩(g)」を求めたいなら、下のふたつを掛け算すればいいのですね。
「濃度」を求めたいなら、食塩(g)/食塩水(g)の分数、つまりこれは【食塩(g)】÷【食塩水(g)】という式に表すことができます。
例を挙げると、
水100gに、食塩を20g加える。よくかきまぜてできた食塩水の濃度は・・・
・食塩20g
・混ぜ合わせた食塩水は120g
よって、濃度は、
20/120
つまり、
20÷120⁼0.1666…
小数第2位を四捨五入すると、濃度は約17%、という結果になります。
その通り。あなたもぜひ、紙に書いて、上の計算をしてみましょう。
この「T字」で考えるやり方に否定的な専門家は多いが、気にしなくていい。あの人たちは、数学が得意すぎて、苦手な人の「何が苦手か」の本質をちゃんと理解できとらん。
もしあなたが、数学が得意なら「T字」に頼らずとも、比例関係をちゃんと脳内で処理できるだろうが、すべての人がそう簡単にできるようになるわけではありません。だから数学に対する苦手意識が強い人ほど、「型」に頼って欲しいです。
ちょっと何言っているかわかりませんが、そうなんですね。
ぐっ・・・それでは実際に問題を解いていくぞ。練習プリントを以下のリンクから入手して下さい。
もしプリントアウトできるなら、A4用紙で印刷して下さい。コンビニでもできます。
あるいはスマートフォンやタブレットの画面に表示させて、ノートなどに解いていきましょう。
まずはこれですね。
(1)8%の食塩水200gに水を加えて、5%の食塩水を作りたい。水を何g加えればよいか。
(美原看護専門学校)
そう。まずは、この問題を図式化してみよう。慣れたら図もいらなくなるけれど、慣れるまでは図で描いて考えることは大事。
図にはこのような「型」を使う。「型」は「フレームワーク」と呼び変えてもよい。あなたも実際に紙に書き出してみて下さい。「上手に描く」必要はなくて、「自分でイメージできる」ことが重要。
この「型」に「既知情報(すでにわかっている情報)」を書き込んでいくんじゃが・・・
このように、書き込む場所を決める。
ある食塩水に、新たに食塩水(または水)を加えて、新たな濃度の食塩水をつくる、という型なんですね。
そういうこと。
それでは今回の問題の「既知情報」を書き込んでみますね。
慣れてきたら、こんな図は必要ないけれど、慣れるまでは、必ずこの「型」にあてはめて考えるようにして下さい。
次にこれを「T字」に当てはめるのですね。
そのとおり。つぎに使う「型(フレームワーク)」がこちら。
最初に紹介した「濃度の公式をTにあてはめた型」を、更に式にしたもの。あなたも描いてみて下さい。
それぞれ以下の情報を書き込んでいくぞ。
濃度は「分数」で表すと計算がラクですね。
うむ。あとはこれを数式に置き換えて計算するだけだな。
これ、読んでいるだけではわかりにくいから、実際に紙に書いてみよう。慣れてきたら、ゼロは書かなくていいな。
計算したら、x=120になりました。
うむ。つまり水を120g加えればよいとわかる。
8%の食塩水200gに水を加えて、5%の食塩水を作りたい。水を何g加えればよいか。
(勤医会東葛看護専門学校)
正解は120gだな。
xの値がどうしても120にならない、計算方法がわからない、という場合は「まめじぃ」に相談してみましょう。「トップページ」の「お問合せ」から質問してみて下さい。
うむ。いつでもお待ちしております。
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