面接対策講座（５）ダメな「志望動機」・「志願理由」を一刀両断！

さて「志望動機」について。

「動機」とは何だ？

そうだな。「動機」とは、その人の心の中の、

・きっかけ

・原因

・理由

なんだ。

だから「志望動機」＝「志願理由」と考えてよい、というのもうなずけるな。

それをいかにして「自分のことば」で語ることができるか、それが大切。

たとえば、次の例を見て欲しい。どう感じる？

そう。これ、AIに生成してもらった解答。

「ChatGPT (openai.com)」に次の質問をした。

あなたはこれから、看護専門学校を受験します。面接試験において「志願理由を教えて下さい」と尋ねられました。さてあなたは、どのように返答しますか。

そうしたら上のような解答が出てきた。

これはまさに典型的な「ダメなお手本」_（注１）なんだ。

ひとつずつ見てみよう。

面接官の皆様、私が看護専門学校を志望する理由についてお話しいたします。

これ、長い。何だよ「面接官の皆様」って。そんな文言、必要ない。面接官に質問されたのだから、わざわざそんな事言わなくてもわかっている。ここは、

「私が御校を志願した理由は、〇〇だからです」

と、まず「結論」を端的に話す。

いいぞ。ちょっと長いけれど、その調子。自分にしか言えないことを、「自分のことば」で語れている。

次、

私は看護を選ぶ理由はいくつかありますが、最も重要な理由は人々の健康と幸福に貢献したいという強い使命感です。私は人々の健康を支えることができる看護師として、患者さんやその家族の役に立ちたいと考えています。

なんだこれは。「人々の健康と幸福に貢献したい」という理想を、悪いとは言わない。しかし、なぜそれが第一の動機になるのか、何も語られていない。

つまり、こんなの、誰でも言える、別にあなたでなくてもいい、中身の無い話なんじゃ。

うむ。要するに「稼ぎたい」と言っとるわけだが、そのための根拠、理由が明確で、面接官としても共感しやすい内容だから、いいぞ。ちょっと長いけどな。

次、

また、私は人と関わることが好きで、チームで協力しながら仕事を進めることが得意です。看護師の職業は、患者さんとのコミュニケーションや医療チームとの連携が欠かせないものです。私は人々のニーズに寄り添い、協力し合って最良のケアを提供することに情熱を持って取り組みたいと考えています。

なんだこれは。「チームで協力しながら仕事を進めることが得意」というアピールを、悪いとは言わない。しかし、それは他業種でも求められるスキルであって、看護師特有のスキルではない。

これも、誰でも、いろんな業態でも言い回しの効く、中身の無い話なんじゃ。

ななみさん？そこまで語る必要ある？しかも笑顔で・・・

あかん、もうワシ泣けてきた・・・

そうそう。どうして御校でなければならないか、という点は、必ず入れよう。

次、

さらに、医療の進歩や技術の発展は日々進んでおり、看護師として常に学び続けなければならないという意識を持っています。看護専門学校に進学することで、専門知識や臨床スキルを習得し、現場で必要な実践力を身につけたいと思っています。

これもダメだな。他のどの看護学校でも同じこと言えるんだな。

なぜ、御校でなければダメなのか、ちゃんと語ろうな。

まだまだ粗削りだが「自分のことば」で語れている点を高く評価しよう。では、AIの解答例の続きを見てみよう。

最後に、私は看護師としての責任や倫理観を持ち、患者さんのプライバシーと尊厳を尊重することを約束します。人々の健康を守りながら、心のケアやサポートも提供できる看護師になりたいと考えています。

これはな、学校の面接じゃなくて、病院の採用面接で語ることだな。

でも、もし採用面接であっても、やっぱりダメ。理由はこれまで述べてきたのと同じ。

「誰でも言えること」を言うだけなら、

「何も言っていない」のと同じくらい、意味が無い。

この点を忘れないで欲しい。

次、

以上が私の看護専門学校を志望する理由です。私はこの学校で学び、成長することで、将来の看護師としての使命を果たせると信じています。

これも、長い。

どんなに耳障りのいい言葉を並べたところで、

伝わらなければ意味が無い。

そこを忘れてはいかん。

ほんとそう。「失敗から学ぶ」典型例だな。

「ChatGPT」をはじめする「対話型チャットAIサービス」の活用は、使い方次第でとても有用な相棒となるので、ぜひ試してみて下さい。

今回は、あえて「ぼやっとした質問」をすることで、「ダメな例」を生成してもらったんだ。

さて次回は、ななみさんの案を更に深堀りしてみよう。

つづく。